日本话题:“技术大国”日本今后能够复活为“世界第一”吗?(上)
2021-10-25 听雨惜心 23014
正文翻译

「良いテクノロジー」であれば勝てるという幻想
90年代はインターネットの時代でした。多くのビジネス、テクノロジーの業界の人間はインターネットの可能性に狂乱していました。Windows95が登場した以降はまさにバブルそのものでした。私もインターネットの可能性を強く感じていた1人ですが、インターネットというインフラ、それにまつわる技術を制覇できることが最も大事で、完全に技術ドリブンに考えていた1人です。

有好的技术就能胜利的幻想
90年代是互联网时代。很多商业、技术业界的人都为互联网的可能性而狂乱。Windows95登场以后,正是日本的泡沫经济时代。我就是对互联网的可能性有着强烈感触的一个人。我认为互联网这个基础以及相关的技术领先才是最重要的,完全沉溺于技术驱动的想法之中。
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確かに技術は大事です。しかし今振り返ってみると、大成功したGAFA、日本でもヤフーや楽天など、どれだけ技術があったでしょうか。最初は素人ながらのコーディングからスタートした企業も多かったでしょう。多くの起業家はスーパーエンジニアであったでしょうか。ビルゲイツはそうかもしれませんが、多くの起業家はスーパービジネスパーソンと呼ぶ方が近いのではないでしょうか。

确认是技术很重要。不过现在回头看,收获巨大成功的GAFA,还有日本的雅虎和乐天,到底有多少技术呢?最初很多都是从外行进行编码化开始创业的企业。很多创业者都是优秀的工程师吧。比尔盖茨虽然可能是这样,但是很多创业者更像是优秀的商业人才。

つまり、実際にはテクノロジーだけではビジネスの成功は約束されておらず、ビジネスで勝つにはビジネスのルールを学び、武器を活用する必要があるのです。それがまさに「経営」だと考えています。
その後の実態は私が説明するまでもないでしょう。失われた10年、20年、30年と言われますが、特に失われた20年を語る上ではこの技術偏重が招いた功罪は極めて大きいと言わざるを得ません。ある種の過信から来る経営判断、国内での過当競争の放置、撤退判断の遅れ、中途半端な投資、これらが日本の産業の競争力を削り取っていってしまいました。

也就是说,实际上仅仅靠技术是无法实现商业的成功的。在商业上想要获胜就需要学习杀昂也的规则,活用各种武器。这正是经营这个概念。
之后的发展不用我说明了吧。日本经历了失去的10年、20年、30年,特别是在讲失去的20年时确实偏重技术招致的功过非常大。对未来某种偏信的经营判断,对国内过度竞争的放置,撤退决断的迟缓,半吊子的投资,这些都减弱了日本产业的竞争力。

当時、理系の学生であった私は多くの産業構造について知る由もありませんでした。今の頭の良い理系の学生は私よりももっとそのことを頭では理解しているでしょう。実際に何をどうすれば良いかわかっていないのが実態ではないでしょうか。
私は宇宙産業に身を置いていた結果、インターネット業界より先に現実を突きつけられました。大きな課題に直面していたからこそ、技術ドリブンだけでは世の中に価値が提供できないということを当時から気が付くことができたように思います。

当时,作为理科学生的我没有了解很多产业构造知识的机会。现在聪明的理科学生比我更能理解这个事实吧。实际上不了解该怎么做才是实际状态吧。
我投身宇宙产业的结果,比起互联网产业更加早看到了现实。正因为直面巨大的课题,所以才能够发现仅仅靠技术驱动是无法给社会提供价值的。

日本のテクノロジー産業の「課題」と「強み」
私は宇宙開発に関わっていた頃から、日本のテクノロジーの強みは、「すり合わせ」と「融合」だと思っています。宇宙産業は、本来は日本が得意とする要素が詰まっています。素材の技術、小型化の技術、制御技術、画像処理、通信技術、電源技術、全ての融合でこそシステムが成り立ち、ロバストで自律的なミッションを可能にします。

日本技术产业的课题和强处
我在参与宇宙开发的时候,日本技术的强处在于协调和融合。宇宙产业本来有很多日本擅长的要素。材料技术、小型化技术、控制技术、画面处理、通信技术、电源技术,将这些融合在一起系统才能成立,才可以稳定且自律完成任务。

他にもファクトリーオートメーションなどもそうです。任天堂やソニーが日本から生まれゲーム産業を牽引したのも、複数分野をインテグレートして価値を届けるからに他なりません。
一方で、これまでパソコン、半導体、ソフトウェアなど複数の業界で日本は競争力を失ってきました。技術力の差別化要因が、スピードや規模や微細化などに収斂してきた場合です。そうすると徐々に投資戦略や、スケールを実現するためのサプライチェーンや販売戦略といったビジネスモデルや経営の差別化要因がより支配的になります。

其它比如工厂自动化也是如此。任天堂和索尼能从日本诞生,引领游戏产业也是因为整合了很多领域传递了价值。
另一方面,日本在电脑、半导体、软件等复数行业不断失去竞争力。这是技术力的差异化因素收敛到速度、规模和精细化的情况。这样慢慢的投资战略,以及实现规模化的产业链营销战略等商业模式和经营差异化因素就占据了主导地位。

今、世界のテクノロジー産業は総合格闘技の様相を呈してきています。日本は特定種目の強みはあっても、総合格闘技では苦手分野を残し、「融合」しきれていないと思います。テクノロジー分野でも社会インフラや、ソフトウェアとハードウェア、電力制御と素材、など複数の領域を跨ぐことで付加価値を出すようなアプローチが一つの方向性だと思います。

现在世界的技术产业呈现出了综合格斗一般的倾向。日本在某种特定的项目上就算有长处,但是综合竞争中还会留有不擅长的领域,所以就无法进行融合。
技术领域上我觉得讲社会基础、软硬件、电力控制和材料等跨领域融合才能实现高附加价值。

これだけ、素材から電力制御まで幅広いエンジニアリングのノウハウや人材を有している国はそうありません。新興国も台頭してきていますが、ソフトウェアやインターネットなど新たな産業分野に集中している分、総合化への道筋は遠い。それは中国もインドも理解しているからこそ、着実に戦略を立ててキャッチアップしようとしているのだと思います。

没有哪个国家有着日本这样从材料到电力控制在很多领域都有技术积累和人才。新兴国家虽然也在崛起,不过在软件和互联网等新兴产业集中,这和综合化的道路相去甚远。不管是中国还是印度都理解到了这一点,所以才切实制定战略想要赶超。

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评论翻译
日本はまだまだ飛躍できる
ただ、気をつけなければいけないのは、それだけ「融合」で差別化を図ったとしても、それだけでは勝ちきれないということです。ビジネスとして、経営として、総合格闘技として勝ち切る姿勢が不可欠だと考えています。

日本还能够腾飞
不过必须要注意的是就算通过融合想要实现差异化,但是仅靠这个是无法获胜的。作为商业作为经营作为综合竞争都需要有开拓进取的态度。

テクノロジーの融合はまだ日本に一定の優位性が残っています。そこがあるうちに、ビジネスとして「融合」をしっかりと果たし、経営力で差別化できるようになれば、日本はまだまだ飛躍できると私は考えています。
当時、川口先生がおっしゃっていたことを今でも覚えています。

在技术的融合上日本还有一定的领先地位。只要这点还存在,那么商业上的融合如果能够很好实现,通过经营能力实现差异化,那么日本就还能够实现飞跃性的发展。
当时川口老师说的话,我现在还记得。

「村上くん、これからはメカトロニクスの時代だ。特定分野の技術だけにとどまっていてはいけない。ソフトウェアの重要性は高まるが、メカトロニクスとして融合できるかが勝負になる。」

“村上君,今后是机电一体化的时代。不能够让技术停留在某个特定的领域。虽然软件的重要性会上升,但是能否通过机电一体化实现融合才是胜负的关键。”

ようやく時代が追いついてきました。ただ、今の日本は出遅れたインターネットや単なるソフトウェアで米中に追いつこうと必死で、融合分野への取り組みが徐々に弱体化してはいないでしょうか。20-30年前は圧倒的な優位性を有していたはずです。素材から部品、全てを融合できるだけの産業基盤を有していました。

终于要赶上时代了。不过现在日本在互联网已经落后,拼死仅仅依靠软件想赶上中美,反而在产业融合上越来越落后了。20、30年前本来是有压倒性优势的。从材料到零件,有着能够融合全部的产业基础。

ただ、失われた30年の間に、競争力のある産業は弱体化し、時に売却され、若手エンジニアも減少してきました。そんな中、むしろ米中が今この「融合」領域の価値に明確に気がつきそれぞれのやり方で戦略的な動きを見せています。追いかけているつもりが、追い抜かされそうになっているのです。

不过在失去的30年间,有竞争力的产业不断衰落,有些还被出售,年轻工程师也在减少。这样的情况中,不如说中美反而明确察觉那些有融合价值的领域,按照各自的方式实现战略性的举动。本来想要赶超,反而被拉远了。

20年ほど前にこう考えました。日本の技術者や研究者のレベルは極めて高い。であるにも関わらず、それが社会に還元されるチャンスが少ないし、結果的に国際的な競争力が脅かされている。非常に「もったいない」と。

20年前我就这样想过。日本的技术人员和研究人员的水平非常高。尽管如此,能够回报社会的机会却非常少。结果国际竞争力却被威胁了,非常可惜。
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日本のテクノロジー業界に残された道
ただ、キャリアを順調に重ねれば重ねるほど、自身の中に一種の虚無感が芽生えるようになりました。果たして、私は日本やテクノロジー、社会にどれくらい貢献できているだろうか。
私はゴールドマン・サックスでテクノロジー産業を主に担当していました。世界最強の投資銀行の日本のテクノロジー部門で働いていることは一種の誇りでした。グローバルからみて、日本はテクノロジーで尊敬を集めていました。その意味で、世界の最先端である日本と世界をつなぐビジネスとも言えました。ただ、年月が立つごとに、日本に対する世界の注目が低下していきました。

留给日本科技业界的道路
虽然我自身的职业生涯很顺利,不过我自身还是产生了一种虚无感。我到底对日本、科技、社会有多大贡献呢?
我主要在公司里担任科技产业。在世界最强的投资银行的日本科技部门工作是一种骄傲。从世界上来看,日本在技术上受人尊敬。在这层意义上,可以说时连接世界先进的日本和世界的工作。不过随着时间的推移,世界对日本的关注程度不断下降。

特に金融危機以降、日本のIT業界の責任者の立場でもあった私は、その地盤沈下を誰よりも敏感に感じていました。Facebook、アリババ、華々しいIPO、大型の再編、どれも世界の最先端のテクノジー企業とのビジネスで世界中がその動きに目を光らせていました。
一方で、日本はどうか。世界がその動向を注目する企業はソフトバンクぐらいになってしまっていました。世界中の同僚から何も質問されない。世界中の同僚が日本に来ない。せいぜい中国訪問のついでに立ち寄る程度でした。

特别是金融危机以后,作为日本IT业界责任人的我,比任何人都能敏感感受到地基的下降。Facebook、阿里巴巴、闪亮的IPO、大型重组,不管哪个都是世界最先进技术企业的商业活动,吸引了世界上人们的目光。
另一方面,日本又是如何呢?世界能注目动向的企业只有softbank了吧。世界上的同僚不会有人询问日本的意见。世界上的同僚不会来日本。最多是在访问中国的同时顺路来看看吧。

「融合」できるかどうかがキーになる!
そして、2017年にシニフィアン株式会社を創業しました。どうすれば、世界をよくすることができ、日本がそのリーダーとなり、活力ある国と「持続可能な社会」の実現が可能なのか。正直、まだ答えはありませんが、もがきながら日々奮闘している最中です。

能否实现融合才是关键!
2017年我建立了自己的公司。如何才能让世界变得更好,日本如何才能成为领导,作为一个有活力的国家实现可持续发展。说实话,我还无法回答,只能一边挣扎一边每天奋斗。

そして、宇宙工学の研究者・エンジニアであったからこそ、技術力の高さとそれを無駄にしてはいけない、「もったいない」と今も思っています。研究者・エンジニアと「ファイナンス」「ガバナンス」「組織」というものがいかに遠い存在かということも実体験を持って知っています。でも、これを遠い存在だと言っていては、何も成し遂げられないと、強く感じています。

正因为我是宇宙工学的研究人员·工程师,所以才更感受到日本技术的领先,以及不能将其浪费。我现在还觉得很可惜。我也知道研究人员·工程师和“金融”“治理”“组织”这些词汇很遥远,我也有实际体验。不过我也非常明白只是承认这点,是无法做到任何事情的。

川口先生がおっしゃったように「融合」させていくことができるかが勝負なのだ。テクノロジーとファイナンス/ガバナンス/組織といった経営力を本当に「融合」させることができれば、日本のテクノロジー産業は、いや日本は明るいと心から信じています。これが私が日本のテクノロジー業界の可能性を信じている理由です。

正如川口老师所言,能否实现融合才是胜负的关键。如果能让技术和“金融”“治理”“组织”这些经营能力真正融合的话,我先新日本的技术产业,不对日本未来还是光明的。这就是我想信日本技术业界可能性的理由。

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