法国人说“中国不会成为威胁”,日本网友们这么看(上)
2022-11-09 一杯酒名字 28890
正文翻译
「中国が脅威になることはない」知の巨人エマニュエル・トッドが語った「世界の正しい見方」

“中国不会成为威胁”,埃马纽埃尔·托德提到,“看待世界的正确方式。”
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「GDPで測られる『経済力』はもはやフィクションにすぎず、リアルな経済的実態を反映していないのです」――欧米を代表する「知の巨人」エマニュエル・トッド氏がGDPを「時代遅れの指標」と語る意味、そしてGDP2位の中国が「世界の脅威」になりえない理由とは?

“GDP所反映的“经济力”近于虚假,无法反映经济实态。”足以代表欧美的知识巨人埃马纽埃尔把GDP视为“落后于时代的指标”,其含义是什么?又为什么要说GDP第2的中国不会成为世界的威胁呢?

【画像】中国の犬食文化。画像は茶色にローストされた犬  

【图片链接】中国的吃狗肉文化。图中为烤制成棕红色的犬只。
(译注:没错,哪怕文图无关也要疯狂塞私货)

トッド氏の新刊『 我々はどこから来て、今どこにいるのか? 上 アングロサクソンがなぜ覇権を握ったか 』より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/ 後編 を読む)

(编者)从托德的新刊《我们从何而来?盎格鲁何以把握世界霸权?》摘录,以供阅读。

GDPでは現実は見えない

GDP看不到现实

GDPがもはや「時代遅れの指標」であることも指摘しなければなりません──といっても、人類学的アプローチを重視する私が「経済」を軽視しているわけではありません──。

首先,我不得不指出,GDP已经可以说是“落后于时代的指标”——当然,我向来重视人类学角度的探讨研究,这并不意味着我轻视“经济”本身。

現下の戦争をGDPの観点から見てみましょう。ロシアによるウクライナ侵攻前夜の2021年、世界銀行のデータによれば、ロシアとベラルーシのGDPの合計は、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、EU、ノルウェー、スイス、日本、韓国のGDPの合計のわずか3.3%にしか相当していません。一国単位で見れば、ロシアのGDPは韓国と同程度です。

让我们从GDP的观点来考察现下的战争。俄乌冲突爆发前夜的2021年,根据世界银行的数据,俄罗斯和白俄罗斯的GDP合计仅为美国、加拿大、澳大利亚、新西兰、英国、欧盟、挪威、瑞士、日本、韩国之和的3.3%。

ではなぜ、これほど「小国の」ロシアが、GDPで見れば、ロシアを圧倒している西洋諸国全体を敵に回すことができているのでしょうか。これだけ経済制裁を受けているのに、なぜロシア経済は崩壊しないのでしょうか。

那为什么,GDP上不过是“小国”的俄罗斯,能够与西方全体国家为敌呢?为什么俄罗斯受到这种程度的制裁,经济还没崩溃呢?

答えは簡単です。GDPで測られる「経済力」はもはやフィクションにすぎず、リアルな経済的実態を反映していないのです。

答案很简单,以GDP衡量的经济力近乎虚假,没能反映经济实态。

「栄光の30年」と言われた第二次世界大戦後から1970年代までは、鉄鋼、自動車、冷蔵庫、テレビといった実物経済が中心で、「実際の生産力を測る指標」としてGDPは意味を持ち得ていましたが、産業構造が変容し、モノよりサービスの割合が高まるなかで、GDPは「現実を測る指標」としてのリアリティを失っていったのです。

二战之后直至1970年代被誉为“荣光的30年”,钢铁、自动车、冰箱、电视等实物是经济的中心,当然可以用GDP作为衡量生产力的指标,之后,产业构造变化,服务业比例提高,这时GDP就失去了真实性。
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ここでは米国の医療を例にとりましょう。医療部門は、欧州諸国ではGDPの9~11%程度を占めているのに対し、米国は約2倍で、GDPの18%にも達しています。

在此我以美国为例。医疗部门在欧洲各国不过占GDP的9~11%,而美国几乎翻番,到达了GDP的18%。

では、これだけ膨大な額が費やされている米国人の健康はどうなっているのでしょうか。米国の平均寿命は77.3歳で、ドイツの80.9歳、フランスの82.2歳、スウェーデンの82.4歳、日本の84.6歳にはるかに及んでいません。

那么,耗费如此夸张的金额的美国人的健康状况如何呢?美国平均寿命77.3岁,远不及德国80.9岁、法国82.2岁、瑞典82.4岁、日本84.6岁。

米国の医療費の半分以上は、医師の過大な収入と異常に高価な医薬品(世界の支出の半分)で占められています。米国の医療は、莫大なカネがかかっているのに実質的な成果を生んでいないのです。これが、GDPでは見えてこない米国の現実です。経済統計は噓をつきますが、人口統計は噓をつきません。

美国医疗费的一半以上,被医生过高的收入与异常高昂的医药品所占据,美国医疗花费巨大却没能产生实际成果。这是GDP未能反映的美国现实,经济数据会撒谎,人口数据不会。

ちなみにロシアの平均寿命はまだ71.3歳で他の先進国に遅れをとっていますが、医療の効率性を最もよく計測できるのは、1976年に私がソ連崩壊を予言した際に用いた乳幼児死亡率です。ロシアの乳幼児死亡率は2000年頃から大幅に改善し、いまやロシア(2020年時点で出生1000人当たり4.9人)の方が米国(5.4人)を下回っています。

另外,俄罗斯的平均寿命仅71.3岁,虽不及其他发达国家,但最能衡量医疗效率的是,我在1976年预言苏联崩溃时所使用的婴儿死亡率。俄罗斯的婴儿死亡率从2000年左右起大幅改善,如今俄罗斯(2020年每千人新生儿死亡4.9人)低于美国(5.4人)。
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「経済構造」と「家族構造」の一致

“经济构造”与“家庭构造”一致

GDPのこうした欠点を踏まえた上で、現下の経済的グローバリゼーションにおける「相互作用」に話を戻しましょう。

在了解了GDP的缺点后,我们回到这个话题上,当今经济全球化下的“互相作用”。

まず経済のグローバリゼーションが進むなかで、「生産よりも消費する国=貿易赤字の国」と「消費よりも生産する国=貿易黒字の国」への分岐がますます進んでいることが確認できます。

首先可以确认的是,经济全球化发展的过程中,“消费胜于生产=贸易赤字国”与“生产胜于消费=贸易黑字国”两类国家的分歧逐渐扩大。

その地理的分布を見ると、ロシア、中国、インドという米国が恐れている三国がユーラシア大陸の中心部に存在しています。ロシアは「軍事的な脅威」として、中国は「経済的な脅威」として、インドは「米国になかなか従わない大国」として、それぞれ米国にとって無視できない存在なのです。

地理分布上,美国所恐惧的俄中印三国位处欧亚大陆中心部,俄罗斯是“军事威胁”,中国是“经济威胁”,印度是“不愿从命的大国”,都是美国不能无视的国家。

ここで重要なのは、この三国がともに、「産業大国」であり続けていることです。ロシアは、天然ガス、安価で高性能な兵器、原発、農産物を、中国は工業完成品(最終生産物)を、インドは医薬品とソフトウェアを世界市場に供給しています。

尤其重要的是,这三个国家一直都是产业大国。俄罗斯有天然气、高性价比军火、核电站、农产品等,中国有工业完成品,印度有医药和软件提供给世界市场。

輸出大国・輸入大国の違い
それに対して、米国、イギリス、フランスは、財の輸入大国として、グローバリゼーションのなかで、自国の産業基盤を失ってしまいました。

与此相对,美、英、法这类财富的输入大国,在全球化中丢失了自国的产业基盘。
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この両者の違いを人類学的に見てみましょう。

让我们从人类学角度看看两者的不同。

「生産よりも消費する国=貿易赤字の国」は、伝統的に、個人主義的で、核家族社会で、より双系的で(夫側の親と妻側の親を同等にみなす)、女性のステータスが比較的高いという特徴が見られます。

消费胜于生产的贸易赤字国的特征通常是个人主义的、小家庭(仅包含父母和子女),双系的(即将夫妻双方父母同等视之),女性地位较高。

「消費よりも生産する国=貿易黒字の国」は、全体として、権威主義的で、直系家族または共同体家族で、より父系的で、女性のステータスが比較的低いという特徴が見られます。

生产胜于消费的贸易黑字国,总体来说是权威主义的、直系家族或共同体家族,更为父系,女性地位较低。

要するに「経済構造」と「家族構造」が驚くほど一致しているのです。それは地図B(各国の全雇用に占める第二次産業の割合)と地図C(家族構造における父権性の強度)を見れば、一目瞭然です。

经济构造与家庭构造惊人的一致。把地图B(各国第二产业占比)和地图C(家庭构造中父权强度)重合起来看,一目了然。

まず父系的社会は、第二次産業に強く、モノづくりは男性原理と親和性があるといえそうです。

首先父系社会强于第二产业,可以说是男性本身就好制造物品有亲和性。

これに対して、女性のステータスが比較的高い双系的社会は、第三次産業と親和性をもっています。女性の解放によって女性の社会進出が進んだわけですが、その過程で増えたのは第二次産業よりも第三次産業の雇用で、結果的に社会全体の第三次産業化が進み、自国の産業基盤は衰退してしまいました。

相对的,女性地位高的双系社会,对第三产业更有亲和力。虽然随着女性的解放,女性也进入了社会,但比起第二产业,第三产业更多的雇佣女性,其结果是社会整体的第三产业发展,而本国的产业基盘衰退。

現在の世界のかたちがどうなっているか。それぞれの家族構造にしたがって、一方は「消費」に特化し、他方は「生産」に特化するというかたちで2つの陣営に分かれています。しかもグローバリゼーションのなかで、2つの陣営が極度に相互依存関係にある。これがわれわれが生きている世界の構造であり、いま始まっている戦争も、こうした文脈で起きていることが、最も重要なポイントです。

当今世界呈现出什么姿态呢,各国依照各种各样的家庭构造分成两个阵营,一边强化了消费,另一边强化了生产。然而在全球化中,两个阵营互为依赖,不可分离。这就是我们所生活的世界的构造,如今正在进行的战争,也是在此脉络下发生的最重要的一点。

奇妙な戦争

奇妙的战争

この戦争は「奇妙な戦争」です。対立する2つの陣営が、経済的には極度に相互依存しているからです。ヨーロッパはロシアの天然ガスなしには生きていけません。米国は中国製品なしには生きていけません。それぞれの陣営は、新しい戦い方をいちいち「発明」する必要に迫られています。互いに相手を完全には破壊することなしに戦争を続ける必要があるからです。

这场战争十分奇妙。对立的两个阵营在经济上极度依赖彼此,欧洲没有俄罗斯的天然气活不下去,美国没有中国的产品也活不下去。各个阵营都被迫面对“发明”一种新的对战方式,都需要在不完全破坏对方的情况下让战争持续下去。

なぜこの戦争が起きたのか。軍事支援を通じてNATOの事実上の加盟国にして、ウクライナをロシアとの戦争に仕向けた米英にこそ、直接的な原因と責任があると私は考えます(詳しくは『第三次世界大戦はもう始まっている』をご参照ください)。しかし、より大きく捉えれば、2つの陣営の相互の無理解こそが、真の原因であり、その無理解が戦争を長期化させています。

为什么发生了战争?获得军事支援、北约事实上的加盟国乌克兰在美英唆使下挑起了与俄罗斯的战争,我认为美英是战争的直接原因,对此负有责任(详细参考我所写的《第三次世界大战已经开始》)。然而,从更大的角度看,两大阵营对彼此的不理解才是真正原因,这种不理解使战争长期化。

現在、強力なイデオロギー的言説が飛び交っています。西洋諸国は、全体主義的で反民主主義的だとしてロシアと中国を非難しています。他方、ロシアと中国は、同性婚の容認も含めて道徳的に退廃しているとして西洋諸国を非難しています。こうしたイデオロギー(意識)次元の対立が双方の陣営を戦争や衝突へと駆り立てているように見え、実際、メディアではそのように報じられています。

现在,意识形态的言语交锋激烈。西方各国批评中俄全体主义、反民主主义。而中俄批评西方各国承认同性婚姻、道德废退。这种意识形态的对立驱使着双方阵营陷入战争和冲突,事实上,媒体上也能见到这类报道。
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しかし、私が見るところ、戦争の真の原因は、紛争当事者の意識(イデオロギー)よりも深い無意識の次元に存在しています。家族構造(無意識)から見れば、「双系制(核心家庭)社会」と「父系制(共同体家族)社会」が対立しているわけです。戦争の当事者自身が戦争の真の動機を理解していないからこそ、極めて危うい状況にあると言えます。

但以我判断,战争的真正原因,在于比纷争当事者的意识形态更深层的无意识当中。从家庭构造(无意识)来看,是双系制(核心家庭)社会与父系制(共同体家庭)社会的对立。战争双方都没有意识到战争的真正动机,因而陷入极为危险的困境。

「ツキディデスの罠」ではない

不是修昔底德陷阱

事実上、米国とロシアが戦っている以上、「第三次世界大戦」がすでに始まったと私は見ていますが、今次の世界大戦は、第一次大戦や第二次大戦とは性質を異にしています。

事实上,我从美俄间的战斗判断第三次世界大战已经开始,但这次世界大战和一战二战性质不同。

この点を明確にするために、古代ギリシアの歴史家ツキディデス(紀元前460年頃 ~紀元前400年頃)を援用して米中対立を論じた米国の国際政治学者グレアム・アリソンの著書『米中戦争前夜──新旧大国を衝突させる歴史の法則と回避のシナリオ』(藤原朝子訳、ダイヤモンド社、2017年)を取り上げてみましょう。

为了明确这一点,让我们从引用古希腊的历史家修昔底德(公元前460年左右~公元前400年左右)来讨论中美对立的美国国际政治学者格雷厄姆·艾立森所写著作《注定开战:美国和中国能否逃脱修昔底德陷阱》开始。

ツキディデスは、新興国アテネに対してその他のポリス国家が恐怖心を抱いたことでペロポネソス戦争が起きたと『歴史』に記しました。このことにちなんで、「新興勢力の擡頭を既存勢力が不安視することで戦争が起こる現象」を「ツキディデスの罠」と呼ぶようになりました。この「ツキディデスの罠」を米中関係に当て嵌めて、「数十年以内に米中戦争が起こる可能性は、ただ『ある』というだけでなく、現在考えられているよりも非常に高い」と主張しているのが、アリソンの著書です。急速に擡頭する中国が米国に恐怖を与えている以上、戦争は避けられなくなる、と。

修昔底德在《历史》中记载,崛起的新兴国雅典使其他国家感到恐惧,这导致了伯罗奔尼撒战争。为此,把因新兴势力的崛起与守成势力的不安而导致的战争叫做修昔底德陷阱。艾利森在他的著作中主张:修昔底德陷阱符合美中关系,“几十年内,美中之间发生战争的可能性不仅有,而且很高。”迅速崛起的中国给予美国恐惧的同时,战争不可避免。

しかし、ツキディデスの解釈をそのまま現代に適用するのは無理があるでしょう。戦争が起きたのは、中国と米国の間ではなくロシアと米国の間だったわけで、新興国の急速な擡頭によって戦争が始まったというのは、この戦争には妥当しません。冷戦期も含めた長いスパンで見れば、米露という、ともに凋落に向かう2つの勢力の間で戦争が起きているからです。  
ちなみに中国に関して言えば、これまで人口学者として何度も繰り返してきたように、中長期的に見て、出生率の異常な低さ(2020年時点で女性1人当たり1.3人)からして、世界にとって脅威になることはあり得ません。出生率1.3人の国とはそもそも戦う必要がありません。将来の人口減少と国力衰退は火を見るより明らかで、単に待てばいい。待っていれば、老人の重みで自ずと脅威ではなくなるでしょう。

只是,修昔底德的理论并不适用于现代。战争不是发生于美中之间而是美俄之间,这不是由于新兴大国的快速崛起而导致的战争,算上冷战期来看,这是一同衰退的两个势力间的战争。
另外,要说中国,就像迄今为止人口学家反复提及的那一点,出生率异常低下(2020年平均每个女性生育1.3人),中长期来看,不会成为世界的威胁。没有必要与出生率仅为1.3的国家交战,中国的人口减少和国力衰退完全可以预见,等待即可,仅凭老人们的沉重负担就能使这一威胁消失无踪。

戦争の当事国はどこも「弱小国」

战争的当事国都是弱小国。
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他の先進国も擡頭の局面よりも衰退の局面にあります。ドイツでは、政治システムが機能不全に陥っていて、庶民層の不満が蓄積しています。イギリスも、ブレグジットにもかかわらず、欧州のなかで経済が一番うまくいっていません。少子化対策にも移民受け入れにも本格的に取り組んでいない日本が、対外膨張的な政策を展開することはあり得ないでしょう。私の目には、日本はそもそも国力の維持すら諦めているように見えます。

其他发达国家与其说崛起不如说衰退,德国政治机能不全,平民的不满不断积蓄。英国也是,尽管脱欧,经济也没能顺利好转。而日本既没认真做好少子化对策,移民政策也没搞,不要说对外膨胀式的政策,在我看来,连维持国力也不想做了。

つまり、どの国もうまくいっていない。今次の戦争の当事国はどこも「弱小国」で、どこかに弱みを抱えている国同士がやり合っているのです。ここに第一次世界大戦や第二次世界大戦との大きな違いがあります。このことは、人口動態を見れば、一目瞭然です。

也就是说,哪个国家都不景气。此次战争的当事国,每个国家都是弱国,并与其他某个弱国对峙,这与一战二战有本质的不同。从人口动态来看就能一目了然。

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