食其家 “混入老鼠事件” 为何会引发如此大的骚动呢?因为日本人已经穷到能拿得出手夸耀的,也就只有 “便宜、美味又安全的食物”了
2025-04-01 玉子家 6029
正文翻译
すき家《ネズミ混入》はなぜここまで騒動に? それは「安くてうまくて安全なメシ」くらいしか誇れないほど、日本人が貧しくなっているから

食其家 “混入老鼠事件” 为何会引发如此大的骚动呢?因为日本人已经穷到能拿得出手夸耀的,也就只有 “便宜、美味又安全的食物”了


相次ぐ異物混入に揺れる大手牛丼チェーン「すき家」が、一部店舗を除く全店の一時閉店に踏み切った。
同社は3月29日、東京都内の店舗で提供されたテイクアウト商品にゴキブリが入っていたことを発表し、1月にも鳥取県の店舗でネズミの混入が発生した直後であることを大変重く受け止めたとしている。ネズミの混入では、発表と謝罪まで約2カ月のタイムラグがあったことが波紋を呼んだばかりであった。

接连遭遇异物混入问题而陷入动荡的大型牛肉盖饭连锁品牌 “食其家”,除了部分店铺之外,决定将所有店铺暂时关闭。
该公司于3月29日发布消息称,在东京都内一家店铺提供的外卖商品中发现了蟑螂,并且表示,1月鸟取县的店铺也曾发生过混入老鼠的事件,此次事件发生在这之后,公司对此深感重视。在混入老鼠的事件中,从事件发生到发布消息再到红豆泥私密马赛,中间有约两个月的时间差,这一情况就已经引发了轩然大波。


■食の安全をめぐる不安の共有
日本は海外に比べて清潔さに対するニーズや、衛生観念が高いと評されることが多い。
今回の騒動では、グロテスクな異物の混入が強烈な話題性を生み出し、消費者視点から企業の対応の遅さが炎上を招いたことは論をまたないが、どうもそれだけではこの過剰なまでの反応を説明するには不十分だろう。
おそらくは1990年代半ば以降の長期停滞に伴う食に対する意識の変化と、「不安からの連帯」がその深層にあると考えられる。
近年、顕著になってきているわたしたちの食べ物への関心やこだわり、あるいは日本の食文化を誇るナショナリスティックな振る舞いは、低成長下の経済において相対的に楽しみや幸福感を得る手段としての重要性が増していることの現れといえる。
そのため、それらの信頼性を揺るがすような出来事により敏感になっている可能性がある。しかも、この敏感さには、食の安全をめぐる不安の共有が影響している。不安の共有による一時的なつながりによって、自分たちが重視する価値や規範を確かめられるだけでなく、容易に感情を満たすことができるからだ。
まず経済的な背景要因については、「失われた30年」という言葉に象徴されるように、日本はバブル崩壊以降、諸外国と比べて低い経済成長率が続いている。また、最近は、給料がアップしても物価高騰などのために実質賃金が上がらず、働く人々の生活が苦しい状況が続いていることが挙げられる。

■ 对食品安全相关不安情绪的共鸣
日本常常被评价为与海外相比,对清洁程度的需求以及卫生观念都很高。
在这次的骚动中,令人作呕的异物混入引发了强烈的话题性,从消费者的角度来看,企业应对迟缓导致事件发酵,这一点毋庸置疑。但仅仅如此,似乎并不足以解释这种过度的反应。
恐怕在这背后的深层原因是,自20世纪90年代中期以来的长期经济停滞所带来的人们对食物观念的变化,以及 “因不安而产生的连带感”。
近年来,我们对食物的关注和讲究愈发显著,或者说以日本饮食文化为傲的那种民族主义行为,可以说是在低增长的经济环境下,作为获取相对乐趣和幸福感的手段,其重要性在不断增加的体现。
因此,人们可能会对那些动摇这些信赖的事件变得更加敏感。而且,这种敏感还受到了大家对食品安全方面不安情绪共鸣的影响。因为因不安情绪产生的暂时的情感连接,不仅能让人们确定自己的价值观是正确的,还能简单地满足情感需求。
首先,从经济背景因素来看,就像 “失去的 30 年” 这个词所象征的那样,日本自泡沫经济崩溃以来,与其他国家相比,一直保持着较低的经济增长率。此外,最近即使工资有所上涨,但由于物价上涨等原因,实际工资并未增加,劳动者的生活依旧处于困苦的状态。


そうなると、娯楽はより安価で身近なものへとシフトしていくことは否めない。近年の「町中華」ブームはその典型といえるだろう。町中華とは、大衆向けの安い中華料理店のことで、年季が入った外観やメニューなど、いわゆる昭和っぽさが売りになっている。料理の仕込みから閉店までを密着したYouTubeの動画も人気を集めている。
動画では、町中華だけではなく、地元の人々に親しまれている定食屋やそば屋、ラーメン店なども同じく注目の的になっており、さまざまな地域・地方の食文化を楽しむフードツーリズムの起爆剤にもなっている。ここには既存の食べ物の再発見と再評価によって娯楽を創出するメカニズムがある。

这样一来,娱乐向更加便宜且贴近生活的方向转变是不可避免的。近年来的 “街头中餐馆(町中華)” 热潮可以说是一个典型例子。所谓 “街头中餐馆”,指的是面向大众的便宜的中餐馆,其古旧的外观、菜单等,也就是所谓的 “昭和风格” 是它的卖点。YouTube上那些从准备食材到闭店全程跟拍的视频也很受欢迎。
在这些视频中,不仅是 “街头中餐馆”,深受当地居民喜爱的定食店、荞麦面馆、拉面店等也同样备受关注,成为了激发人们去享受各地不同饮食文化的美食旅游的导火索。这里面存在着通过重新发现和重新评价现有的食物来创造娱乐的机制。


■食を通じた“自尊心の回復”
そして、その根底には、食を通じての自尊心の回復があることが見えてくる。
かつて日本は、自動車や電子機器、家電などによって世界市場を席捲し、人々はその技術とブランドに誇りを持った。けれども、経済が衰退局面に入り、ものづくりが凋落し、2022年にはGDPがOECD(経済協力開発機構)加盟国38カ国中21位となり、G7で最下位になった。
一方で、日本はクールジャパンに代表されるようにアニメやマンガなどの文化的なものによる巻き返しを試みた。2030年までに訪日外国人旅行者数を6000万人まで増加させる目標を掲げた政府の観光立国化の推進はその一つだ。流行語になった「おもてなし」が象徴的だが、技術立国から「文化立国」に舵を切ったのである。エンターテインメントとインバウンドによる消費拡大を促す方向性だ。

通过饮食实现 “自尊心的恢复”
而且,从根本上来看,可以发现其中存在着通过饮食来恢复自尊心的因素。
曾经,日本凭借汽车、电子设备、家用电器等产品席卷世界市场,人们对其技术和品牌感到自豪。然而,经济进入衰退阶段,制造业逐渐衰落,2022 年日本的国内生产总值(GDP)在经济合作与发展组织(OECD)的 38 个成员国中排名第 21 位,在七国集团(G7)中处于最低水平。
另一方面,日本试图通过以 “酷日本(Cool Japan)” 为代表的动漫、漫画等文化产品来实现逆袭。政府提出到 2030 年将访日外国游客人数增加到 6000 万人的目标,推进观光立国就是其中的一项举措。 “款待” 一词成为日本的流行语也具有象征意义,这表明日本从技术立国转向了 “文化立国”。其方向是通过娱乐产业和吸引外国游客来促进消费增长。


しかし、これは少し引いたところから見てみると、経済的に上向きになることが期待できないなかで、どうにかして「ありもの」を生かそうとする戦略なのである。
何か新しいものを創造するというのではなくて、すでにある良質なコンテンツを発掘するのに近い考え方といえる。今風に表現すれば、「コト消費」(体験や経験を重視する消費行動のこと)としてのブランディングである。
これは、先の「町中華」にも当てはまるが、以前から街中にあった古びた大衆食堂や喫茶店が「昭和レトロ」の文脈で評価し直され、従来とは異なる客層が掘り起こされるのに非常によく似ている。個人レベルにおいても同じような動機がうかがえる。低成長時代にからめ取られ、いい展望が描けないため、内なる世界を探索する旅に出るのである。
日本には世界に比肩する、いや世界を圧倒する食文化という体験コンテンツがあることを再確認し、かつそのコンテンツを心ゆくまで堪能するというわけだ。この旅はアウトバウンド(海外旅行)と異なるお手軽なもので、胃袋と自尊心の両方が満たされる。

然而,从稍远的角度来看,这其实是在经济难以出现好转的情况下,试图充分利用现有资源的一种战略。
与其说这是创造新事物,不如说更接近挖掘现有优质内容的思维方式。用现代的表述来说,这是一种将其作为 “体验消费(重视体验和经历的消费行为)” 的品牌塑造方式。
这一点也适用于前面提到的 “街头中餐馆”,以前就在街头的老旧大众食堂和咖啡店,在 “昭和复古” 的背景下被重新评价,与以往不同的客群被挖掘出来,这两者非常相似。在个人层面上也能看到类似的动机。由于处于低增长时代,人们看不到好的前景,所以踏上了探索内心世界的旅程。
日本人发现自己的饮食文化可以探索出不输世界饮食文化的体验,并且尽情享受这些内容。这种旅程与出国旅行不同,非常便捷,既能满足胃的需求,也能满足自尊心。


■幸せホルモンを簡単に得るなら「美味しい食事」
このようなスタンスは、「日本の料理を絶賛する外国人」に関する記事や動画などに対する反応にとりわけ如実に表れている。日本に旅行に来た外国人(特に欧米人)ユーチューバーなどがとんかつやパンケーキなど、日本独自のグルメを堪能して狂喜している様子を映した動画が頻繁に鑑賞され、シェアされている。
ここにあるのは、一種のフードナショナリズム(食の自文化中心主義)である。「内向き」といえば、そうかもしれない。だが、お金と時間が限られる中で簡単に気分が上げられるものが美味しい食事であるのもまた事実なのである。

想要轻松获得幸福荷尔蒙,那就来一顿 “美味的餐食”
这种情况下 “夸赞日本料理的外国人”成为流量密码就是一个明显的证明。来日本旅行的外国(尤其是欧美)YouTube 博主等尽情享受炸猪排、松饼等日本特色美食并欣喜若狂的视频经常被观看和分享。
这里存在着一种饮食民族主义(以自身饮食文化为中心的主义)。如果说这是 “内向型” 的表现,或许确实如此。但是,在金钱和时间有限的情况下,美味的餐食确实是能让人轻松提升心情的事物,这也是事实。


ある民間シンクタンクの調査では、「食事で幸せな気持ちになったことはありますか?」という設問に9割以上の人が「ある」と回答している(食欲の秋に、幸せになれるレシピで幸福体質へ /2023年10月12日 /100年生活者研究所)。
ドーパミンやオキシトシンなどの「幸せホルモン」は、一定の強度がある運動、愛情を感じる人やペットとのスキンシップなどで得ることができるが、美味しい食事は最もハードルの低い「幸せホルモン」の放出方法といえる。なぜなら、ドーパミンは、食事の際に2度放出されることが明らかになっているからだ。1回目は食べ物を口に入れたとき、2回目はそれが胃に到達したときである(Food Intake Recruits Orosensory and Post-ingestive Dopaminergic Circuits to Affect Eating Desire in Humans/2018年12月27日/National Institutes of Health)。
長期停滞による食への相対的な関心の増大と、それに伴うフードツーリズム的な帰属意識の高まり、幸福感の重視……これらの一つひとつが、食に対する今日的な関心のあり方を形作っており、広義の食の安全についての認識や態度を決定する要因として力を持つに至っている。
このような分析を踏まえると、今回の騒動をはじめとして、食べ物をめぐる不祥事はますます強烈なハレーションを起こすものになっていくだろう。

某民间智库的调查显示,对于 “你有没有因为用餐而感到幸福的经历?” 这一问题,超过 90% 的人回答 “有”
多巴胺和催产素等 “幸福荷尔蒙” 可以通过一定强度的运动、与让人感受到爱意的人或宠物进行肌肤接触等方式获得,但美味的餐食可以说是获取 “幸福荷尔蒙” 门槛最低的方式。因为已经明确,多巴胺在进食时会释放两次。第一次是食物入口的时候,第二次是食物到达胃部的时候。
长期经济停滞导致人们对饮食的相对关注度增加,随之而来的美食旅游式的归属感增强,以及对幸福感的重视…… 这些因素各自塑造了当今人们对饮食的关注方式,并成为决定广义上对食品安全的认知和态度的有力因素。
基于这样的分析,以这次的骚动为开端,围绕食物的丑闻可能会引发越来越强烈的反响。
评论翻译
すき家《ネズミ混入》はなぜここまで騒動に? それは「安くてうまくて安全なメシ」くらいしか誇れないほど、日本人が貧しくなっているから

食其家 “混入老鼠事件” 为何会引发如此大的骚动呢?因为日本人已经穷到能拿得出手夸耀的,也就只有 “便宜、美味又安全的食物”了


相次ぐ異物混入に揺れる大手牛丼チェーン「すき家」が、一部店舗を除く全店の一時閉店に踏み切った。
同社は3月29日、東京都内の店舗で提供されたテイクアウト商品にゴキブリが入っていたことを発表し、1月にも鳥取県の店舗でネズミの混入が発生した直後であることを大変重く受け止めたとしている。ネズミの混入では、発表と謝罪まで約2カ月のタイムラグがあったことが波紋を呼んだばかりであった。

接连遭遇异物混入问题而陷入动荡的大型牛肉盖饭连锁品牌 “食其家”,除了部分店铺之外,决定将所有店铺暂时关闭。
该公司于3月29日发布消息称,在东京都内一家店铺提供的外卖商品中发现了蟑螂,并且表示,1月鸟取县的店铺也曾发生过混入老鼠的事件,此次事件发生在这之后,公司对此深感重视。在混入老鼠的事件中,从事件发生到发布消息再到红豆泥私密马赛,中间有约两个月的时间差,这一情况就已经引发了轩然大波。


■食の安全をめぐる不安の共有
日本は海外に比べて清潔さに対するニーズや、衛生観念が高いと評されることが多い。
今回の騒動では、グロテスクな異物の混入が強烈な話題性を生み出し、消費者視点から企業の対応の遅さが炎上を招いたことは論をまたないが、どうもそれだけではこの過剰なまでの反応を説明するには不十分だろう。
おそらくは1990年代半ば以降の長期停滞に伴う食に対する意識の変化と、「不安からの連帯」がその深層にあると考えられる。
近年、顕著になってきているわたしたちの食べ物への関心やこだわり、あるいは日本の食文化を誇るナショナリスティックな振る舞いは、低成長下の経済において相対的に楽しみや幸福感を得る手段としての重要性が増していることの現れといえる。
そのため、それらの信頼性を揺るがすような出来事により敏感になっている可能性がある。しかも、この敏感さには、食の安全をめぐる不安の共有が影響している。不安の共有による一時的なつながりによって、自分たちが重視する価値や規範を確かめられるだけでなく、容易に感情を満たすことができるからだ。
まず経済的な背景要因については、「失われた30年」という言葉に象徴されるように、日本はバブル崩壊以降、諸外国と比べて低い経済成長率が続いている。また、最近は、給料がアップしても物価高騰などのために実質賃金が上がらず、働く人々の生活が苦しい状況が続いていることが挙げられる。

■ 对食品安全相关不安情绪的共鸣
日本常常被评价为与海外相比,对清洁程度的需求以及卫生观念都很高。
在这次的骚动中,令人作呕的异物混入引发了强烈的话题性,从消费者的角度来看,企业应对迟缓导致事件发酵,这一点毋庸置疑。但仅仅如此,似乎并不足以解释这种过度的反应。
恐怕在这背后的深层原因是,自20世纪90年代中期以来的长期经济停滞所带来的人们对食物观念的变化,以及 “因不安而产生的连带感”。
近年来,我们对食物的关注和讲究愈发显著,或者说以日本饮食文化为傲的那种民族主义行为,可以说是在低增长的经济环境下,作为获取相对乐趣和幸福感的手段,其重要性在不断增加的体现。
因此,人们可能会对那些动摇这些信赖的事件变得更加敏感。而且,这种敏感还受到了大家对食品安全方面不安情绪共鸣的影响。因为因不安情绪产生的暂时的情感连接,不仅能让人们确定自己的价值观是正确的,还能简单地满足情感需求。
首先,从经济背景因素来看,就像 “失去的 30 年” 这个词所象征的那样,日本自泡沫经济崩溃以来,与其他国家相比,一直保持着较低的经济增长率。此外,最近即使工资有所上涨,但由于物价上涨等原因,实际工资并未增加,劳动者的生活依旧处于困苦的状态。


そうなると、娯楽はより安価で身近なものへとシフトしていくことは否めない。近年の「町中華」ブームはその典型といえるだろう。町中華とは、大衆向けの安い中華料理店のことで、年季が入った外観やメニューなど、いわゆる昭和っぽさが売りになっている。料理の仕込みから閉店までを密着したYouTubeの動画も人気を集めている。
動画では、町中華だけではなく、地元の人々に親しまれている定食屋やそば屋、ラーメン店なども同じく注目の的になっており、さまざまな地域・地方の食文化を楽しむフードツーリズムの起爆剤にもなっている。ここには既存の食べ物の再発見と再評価によって娯楽を創出するメカニズムがある。

这样一来,娱乐向更加便宜且贴近生活的方向转变是不可避免的。近年来的 “街头中餐馆(町中華)” 热潮可以说是一个典型例子。所谓 “街头中餐馆”,指的是面向大众的便宜的中餐馆,其古旧的外观、菜单等,也就是所谓的 “昭和风格” 是它的卖点。YouTube上那些从准备食材到闭店全程跟拍的视频也很受欢迎。
在这些视频中,不仅是 “街头中餐馆”,深受当地居民喜爱的定食店、荞麦面馆、拉面店等也同样备受关注,成为了激发人们去享受各地不同饮食文化的美食旅游的导火索。这里面存在着通过重新发现和重新评价现有的食物来创造娱乐的机制。


■食を通じた“自尊心の回復”
そして、その根底には、食を通じての自尊心の回復があることが見えてくる。
かつて日本は、自動車や電子機器、家電などによって世界市場を席捲し、人々はその技術とブランドに誇りを持った。けれども、経済が衰退局面に入り、ものづくりが凋落し、2022年にはGDPがOECD(経済協力開発機構)加盟国38カ国中21位となり、G7で最下位になった。
一方で、日本はクールジャパンに代表されるようにアニメやマンガなどの文化的なものによる巻き返しを試みた。2030年までに訪日外国人旅行者数を6000万人まで増加させる目標を掲げた政府の観光立国化の推進はその一つだ。流行語になった「おもてなし」が象徴的だが、技術立国から「文化立国」に舵を切ったのである。エンターテインメントとインバウンドによる消費拡大を促す方向性だ。

通过饮食实现 “自尊心的恢复”
而且,从根本上来看,可以发现其中存在着通过饮食来恢复自尊心的因素。
曾经,日本凭借汽车、电子设备、家用电器等产品席卷世界市场,人们对其技术和品牌感到自豪。然而,经济进入衰退阶段,制造业逐渐衰落,2022 年日本的国内生产总值(GDP)在经济合作与发展组织(OECD)的 38 个成员国中排名第 21 位,在七国集团(G7)中处于最低水平。
另一方面,日本试图通过以 “酷日本(Cool Japan)” 为代表的动漫、漫画等文化产品来实现逆袭。政府提出到 2030 年将访日外国游客人数增加到 6000 万人的目标,推进观光立国就是其中的一项举措。 “款待” 一词成为日本的流行语也具有象征意义,这表明日本从技术立国转向了 “文化立国”。其方向是通过娱乐产业和吸引外国游客来促进消费增长。


しかし、これは少し引いたところから見てみると、経済的に上向きになることが期待できないなかで、どうにかして「ありもの」を生かそうとする戦略なのである。
何か新しいものを創造するというのではなくて、すでにある良質なコンテンツを発掘するのに近い考え方といえる。今風に表現すれば、「コト消費」(体験や経験を重視する消費行動のこと)としてのブランディングである。
これは、先の「町中華」にも当てはまるが、以前から街中にあった古びた大衆食堂や喫茶店が「昭和レトロ」の文脈で評価し直され、従来とは異なる客層が掘り起こされるのに非常によく似ている。個人レベルにおいても同じような動機がうかがえる。低成長時代にからめ取られ、いい展望が描けないため、内なる世界を探索する旅に出るのである。
日本には世界に比肩する、いや世界を圧倒する食文化という体験コンテンツがあることを再確認し、かつそのコンテンツを心ゆくまで堪能するというわけだ。この旅はアウトバウンド(海外旅行)と異なるお手軽なもので、胃袋と自尊心の両方が満たされる。

然而,从稍远的角度来看,这其实是在经济难以出现好转的情况下,试图充分利用现有资源的一种战略。
与其说这是创造新事物,不如说更接近挖掘现有优质内容的思维方式。用现代的表述来说,这是一种将其作为 “体验消费(重视体验和经历的消费行为)” 的品牌塑造方式。
这一点也适用于前面提到的 “街头中餐馆”,以前就在街头的老旧大众食堂和咖啡店,在 “昭和复古” 的背景下被重新评价,与以往不同的客群被挖掘出来,这两者非常相似。在个人层面上也能看到类似的动机。由于处于低增长时代,人们看不到好的前景,所以踏上了探索内心世界的旅程。
日本人发现自己的饮食文化可以探索出不输世界饮食文化的体验,并且尽情享受这些内容。这种旅程与出国旅行不同,非常便捷,既能满足胃的需求,也能满足自尊心。


■幸せホルモンを簡単に得るなら「美味しい食事」
このようなスタンスは、「日本の料理を絶賛する外国人」に関する記事や動画などに対する反応にとりわけ如実に表れている。日本に旅行に来た外国人(特に欧米人)ユーチューバーなどがとんかつやパンケーキなど、日本独自のグルメを堪能して狂喜している様子を映した動画が頻繁に鑑賞され、シェアされている。
ここにあるのは、一種のフードナショナリズム(食の自文化中心主義)である。「内向き」といえば、そうかもしれない。だが、お金と時間が限られる中で簡単に気分が上げられるものが美味しい食事であるのもまた事実なのである。

想要轻松获得幸福荷尔蒙,那就来一顿 “美味的餐食”
这种情况下 “夸赞日本料理的外国人”成为流量密码就是一个明显的证明。来日本旅行的外国(尤其是欧美)YouTube 博主等尽情享受炸猪排、松饼等日本特色美食并欣喜若狂的视频经常被观看和分享。
这里存在着一种饮食民族主义(以自身饮食文化为中心的主义)。如果说这是 “内向型” 的表现,或许确实如此。但是,在金钱和时间有限的情况下,美味的餐食确实是能让人轻松提升心情的事物,这也是事实。


ある民間シンクタンクの調査では、「食事で幸せな気持ちになったことはありますか?」という設問に9割以上の人が「ある」と回答している(食欲の秋に、幸せになれるレシピで幸福体質へ /2023年10月12日 /100年生活者研究所)。
ドーパミンやオキシトシンなどの「幸せホルモン」は、一定の強度がある運動、愛情を感じる人やペットとのスキンシップなどで得ることができるが、美味しい食事は最もハードルの低い「幸せホルモン」の放出方法といえる。なぜなら、ドーパミンは、食事の際に2度放出されることが明らかになっているからだ。1回目は食べ物を口に入れたとき、2回目はそれが胃に到達したときである(Food Intake Recruits Orosensory and Post-ingestive Dopaminergic Circuits to Affect Eating Desire in Humans/2018年12月27日/National Institutes of Health)。
長期停滞による食への相対的な関心の増大と、それに伴うフードツーリズム的な帰属意識の高まり、幸福感の重視……これらの一つひとつが、食に対する今日的な関心のあり方を形作っており、広義の食の安全についての認識や態度を決定する要因として力を持つに至っている。
このような分析を踏まえると、今回の騒動をはじめとして、食べ物をめぐる不祥事はますます強烈なハレーションを起こすものになっていくだろう。

某民间智库的调查显示,对于 “你有没有因为用餐而感到幸福的经历?” 这一问题,超过 90% 的人回答 “有”
多巴胺和催产素等 “幸福荷尔蒙” 可以通过一定强度的运动、与让人感受到爱意的人或宠物进行肌肤接触等方式获得,但美味的餐食可以说是获取 “幸福荷尔蒙” 门槛最低的方式。因为已经明确,多巴胺在进食时会释放两次。第一次是食物入口的时候,第二次是食物到达胃部的时候。
长期经济停滞导致人们对饮食的相对关注度增加,随之而来的美食旅游式的归属感增强,以及对幸福感的重视…… 这些因素各自塑造了当今人们对饮食的关注方式,并成为决定广义上对食品安全的认知和态度的有力因素。
基于这样的分析,以这次的骚动为开端,围绕食物的丑闻可能会引发越来越强烈的反响。
很赞 2
收藏